ローンモア(一般的なガソリンエンジン芝刈り機)稼働により、芝生1,000㎡を刈る場合の一回分の二酸化炭素発生量を計算する。
この計算の他、現地までの往復の燃料消費量とそれによる二酸化炭素の排出量がこの結果を上回ることも考慮する必要があります。
また、人の呼吸による二酸化炭素の排出量も一日に1Kgあるそうですが、日本の総人口1億2321万人(2025年10月現在)、世界の人口約82億3,200万人と動物たちの分を掛け合わせると大きな排出量になります。しかし削減不可能なものであることは言うまでもない。
それゆえ、植物たちの力も借り、知恵を絞り可能な限りの二酸化炭素の排出量の削減は出来るところから一気にやるしかないようです。
(1)燃費の目安(一般的なガソリンエンジン芝刈り機)
- 小型ガソリン芝刈機の燃料消費率は 約0.8〜1.2リットル/時間 が一般的。
- エンジン出力を仮に 3.0〜3.5kW とすると:
例:ハスクバーナLC356VPの出力は3.1kW - 1時間あたりの燃料消費量:1.0L(ガソリンの発熱量約9.5kWh/L)
- → 約9.5kWhのエネルギーを消費し、3.0〜3.5kWhの機械出力を得る
- エネルギー効率は 30〜35%程度。
このため「燃費 h/kWh」に換算すると、 - 約0.3〜0.35時間/kWh(=1kWhの出力を得るのに約0.3時間稼働)
- ガソリン消費換算では 約0.3L/kWh 程度が目安になります。
(2)燃料1リットル当たりの作業面積 - 作業面積 ÷ 燃料消費量
例:1時間で1,000㎡刈れて燃料1L消費 → 約1,000㎡/L
(3)レンジの試算
下限:800㎡ ÷ 1.2L ≈ 670㎡/L
上限:1,200㎡ ÷ 0.8L ≈ 1,500㎡/L
ここまでのまとめ - 燃料1Lあたりの作業面積:およそ670〜1,500㎡
- 実務的には「1Lで約1,000㎡」を目安にする。
(4)排出量の根拠
環境省・経産省の排出係数によると、ガソリン1Lあたり約2.322kg-CO₂ が標準値です。 - ガソリンの比重は約0.74kg/Lで、そのうち炭素が約0.7kg含まれています。
- 炭素(C)の分子量12に対し、CO₂は44なので、燃焼すると 0.7 × 44/12 ≈ 2.5kg のCO₂になります。
- 実際の燃焼過程を考慮すると、一般的に 2.3kg/L が使われています。
ガソリン1L → 約2.3kgのCO₂ - 体積換算すると、CO₂は空気より重いため、約1,300リットル(牛乳パック1,300本分)のガスが発生します。
(5)年間の排出量
一回の排出量 2.3kg/L で年5回として11.5kg
(6)焼却場までの運搬車排出量
片道10Kmを燃費10Km/1リットルとして
2リットル x 5回 ≈ 10リットル
2.3kg ⅹ 10リットル ≈ 23kg
(7)機械運搬車両 + 集草の人員運搬車両
片道10Kmを燃費10Km/1リットルとして
2台 x2リットル x 5回 ≈ 20リットル
2.3kg ⅹ 20リットル ≈ 46kg
(8)1,000㎡の芝刈り・集草・運搬に使用するガソリンによる二酸化炭素の年間排出量
(5)+(6)+(7)≈ 80.5kg
(9)1,000㎡の芝を刈り取り焼却した場合の二酸化炭素排出量
495~1,100Kg CO₂/年
以上の計算根拠・二酸化炭素削減の計算(1)
(10)一般的なガソリンエンジン芝刈り機を使用して1,000㎡の芝刈りでの二酸化炭素年間排出量
(8)+(9)≈575~1,180kg
