芝は種類や管理方法(刈り込み頻度、施肥、水やり)によって成長量が大きく変わります。
ここでは一般的な日本の公園に多いケンタッキーブルーグラスやトールフェスクなどの芝を想定し、刈り芝を焼却した場合の二酸化炭素発生量を算出し、オートモア(ロボット芝刈り機)に変えることで集草がなくなりその分の貢献度を計るものです。
また、実際にはオートモア(ロボット芝刈り機)に替える前の乗用芝刈り機、ローンモアや刈払い機が稼働するための揮発油燃焼時の二酸化炭素発生も加わることを考慮する必要があります。

(1)芝の年間成長量
   芝草の年間バイオマス生産量は、生草換算で1,000~3,000g/m²/年、含水率70~80%として、
   乾物重量で 300〜600 g/m²/年 程度とされます。
   公園管理下では刈り込みがあるため、地上部の成長量はこの範囲に収まると考えられます。

(2)芝生面積を1,000 m²として
   1,000 m² の芝生 (例:平均的な公園の広さ)
   年間乾物重量 = 300〜600 g × 1,000 = 300〜600 kg/年

(3)炭素含有率
   一般的に約45〜50%が炭素
   よって炭素量は:135〜300kgC/年(= 300〜600kg × 0.45〜0.50)

(4)炭素をCO₂に換算(分子量比)
   炭素原子:12、CO₂分子:44 → 換算係数:44 ÷ 12 ≒ 3.67
   燃焼時のCO₂排出量 = 炭素量 × 3.67
   → 約495〜1,100kgCO₂/年

(5)1,000の芝刈り・集草・運搬に使用するガソリンによる二酸化炭素の年間排出量=80.5Kg
   以上の計算根拠・二酸化炭素削減の計算(2)

<まとめ>
一般的なガソリンエンジン芝刈り機を使用して1,000m²の芝刈りでの二酸化炭素年間排出量
(4)+(5)= 575~1,180Kg

補足:CO₂吸収との関係
芝草は光合成によってCO₂を吸収し、バイオマスとして蓄積します。
年間300〜600kgの乾物は、成長の過程で約500〜1,000kgのCO₂吸収量に相当するとされ、都市緑化や環境改善にも貢献します。