7.2 季節ごとの芝生管理の最適化

年間維持管理計画に組み込むための実務ガイド ―


1. 春(4〜5月)

目的:生育開始に合わせて“最適な刈高・稼働時間”を整える

最適化ポイント

  • 刈高は高め(45〜55mm)から開始
    → 春先は根が浅く、低刈りはストレスになる
  • 稼働時間は徐々に増やす
    → 生育スピードに合わせて負荷を調整
  • IoTで生育状況をモニタリング
    → 稼働時間の自動最適化が最も効果を発揮する季節

現場作業(年間計画に記載する内容)

  • 境界ワイヤー・ガイドワイヤーの点検
  • 春肥(必要な施設のみ)
  • 刃の交換(春の立ち上がりに合わせて1回)
  • 稼働スケジュールの初期設定

2. 夏(6〜9月)

目的:生育ピークに合わせて“最大効率で刈り続ける”

最適化ポイント

  • 刈高はやや高め(40〜50mm)を維持
    → 直射日光による焼けを防ぐ
  • 稼働時間は長めに設定
    → 生育スピードが最速
  • IoTで熱ストレスを回避
    → 高温日には稼働時間を自動調整(早朝・夕方中心)

現場作業

  • 刃交換(1〜2回)
  • 夏枯れ・病害の早期発見(IoTの稼働データで異常を検知)
  • 雨天時の稼働調整(スリップや芝の傷みを防ぐ)

3. 秋(10〜11月)

目的:冬越しに向けて“芝の体力を残す”

最適化ポイント

  • 刈高を徐々に上げる(45〜55mm)
    → 冬の耐寒性を高める
  • 稼働時間は徐々に短縮
    → 生育が落ち着くため(天候タイマーの設定)
  • 落ち葉対策を計画に組み込む
    → オートモアは落ち葉に弱い(巻き込み・詰まり)

現場作業

  • 刃交換(必要に応じて)
  • 落ち葉清掃(週1〜2回)
  • 冬季停止に向けたスケジュール調整

4. 冬(12〜2月)

目的:機体保護と来春の立ち上がり準備

最適化ポイント

  • 積雪地域は稼働停止
    → 福島・茨城・栃木では12〜3月は停止が基本
  • 機体の清掃・点検・保管
    → 年間維持管理費に必ず入れるべき項目
  • IoTは“監視モード”で最低限の稼働
    → 盗難・転倒・通信異常の監視のみ

現場作業

  • 年次点検(自治体向けは必須)
  • バッテリー状態の診断
  • 保管前の清掃・消耗品交換
  • 来年度の稼働計画の作成

年間維持管理計画に組み込む「季節別タスク表」

(行政仕様書にそのまま使える構成)

季節芝生の状態オートモア設定現場作業IoT活用
生育開始刈高高め・稼働増加ワイヤー点検・刃交換稼働最適化開始
生育ピーク稼働最大化・刈高維持刃交換・病害チェック高温時の自動調整
生育減速刈高上げる・稼働減少落ち葉清掃稼働縮小の自動化
休眠稼働停止清掃・保管・年次点検監視モード