2.1 Automower の基本構造と動作原理


1. Automower の基本構造

🧩 主要ハードウェア構成

構成要素役割
マイクロプロセッサセンサー情報を解析し、走行・刈高調整・安全制御など全体を統括する頭脳。
ブレードディスク(回転刃)小型・軽量のフリーブレードが高速回転し、芝を少しずつカット。安全性と省エネ性が高い。
走行モーター(左右独立)不規則走行やスパイラル走行を可能にする。
センサー類衝突、持ち上げ、傾斜、ループ信号、雨などを検知し、安全かつ効率的に動作。
バッテリー(リチウムイオン)長寿命で自動充電に対応。
チャージステーション自動帰還・自動充電の基地。境界ワイヤー・ガイドワイヤーの信号発信源。
境界ワイヤー/ガイドワイヤー作業エリアの定義と帰還ルートの誘導を担う。

2. Automower の動作原理

不規則走行(ランダム走行)

Automower は、従来の芝刈機のように直線的な往復ではなく、ランダムな方向転換を繰り返しながら芝を刈ります。
これにより:

  • 芝目がつかない
  • 均一な仕上がり
  • 複雑な庭形状にも強い

というメリットがあります。


スパイラルカッティング(高密度エリアの自動検知)

ブレードディスクの負荷(消費電力)を常時監視し、
「芝が長い/密度が高い」エリアを検知すると自動でスパイラル走行に切り替える仕組みです。

  • 高密度エリア → 電力値が上昇
  • 過去数時間の平均値と比較 → 差が大きいとスパイラル開始

これにより、ムラのない仕上がりを実現します。


ループシステム(境界ワイヤー・ガイドワイヤー)

Automower の動作の根幹となるのが ループ信号 です。

● A信号

境界ワイヤーを流れる信号。作業エリアの外に出ないよう制御。
(断線時は「No loop signal」エラー)

● F信号

チャージステーション近くにいることを知らせる信号。

● N信号

チャージステーションのごく近く(約1m以内)に入ったことを知らせ、
**正確なドッキング(充電接点の接合)**を誘導。

ガイド信号

ガイドワイヤーを流れる信号で、

  • 遠方エリアへの誘導
  • チャージステーションへの帰還
    を効率化します。

自動帰還・自動充電

バッテリー残量が低下すると、Automower は自動的にガイドワイヤーを利用してチャージステーションへ戻ります。

  • ガイド信号 → スムーズに帰還
  • N信号 → 最終位置合わせ
  • ドッキング後に自動充電

完全自動で、ユーザーの手間はほぼゼロです。


安全制御

  • 持ち上げセンサー:持ち上げられると即停止
  • 傾斜センサー:異常角度で停止
  • 衝突センサー:障害物に当たると方向転換
  • 軽量フリーブレード:接触時の危険性を最小化

3. Automower の動作を支えるソフトウェア構造

Automower の制御は3つのソフトウェアで構成されています。

ソフトウェア役割
MSW(Main Software)センサー情報を解析し、走行・刈り動作を統括するメイン制御。
HMI(Human Machine Interface)ディスプレイ表示、ユーザー入力(キーパッド)を管理。
SSW(Subsystem Software)ブレードモーターなど個別機能の制御。

Husqvarna は常にソフトウェアを更新しており、
最新バージョンへのアップデートが性能維持に重要です。


まとめ:Automower の本質は「自律制御 × ループ信号 × 安全性」

Automower は、
境界ワイヤーの信号を基盤に、マイクロプロセッサがセンサー情報を解析しながら自律走行するロボット芝刈機です。

  • ランダム走行で均一な仕上がり
  • スパイラルカットで高密度エリアを自動処理
  • ガイドワイヤーで効率的な帰還
  • 多層ソフトウェアによる高度な制御
  • 安全性の高い軽量ブレード

これらが組み合わさり、世界的に高い評価を得ています。