4.2 電源・通信環境の確認(実務レベルでの要点)


1. 電源環境の確認

1-1. 電源の位置と距離

  • 充電ステーションの設置位置から10m以内にAC100V電源があるか
  • 屋外コンセントの有無、または新設の必要性
  • 延長ケーブルの使用は原則不可(安全性・防水性の観点)

1-2. 屋外電源の仕様

  • **防水コンセント(IP44以上)**が望ましい
  • ブレーカー容量の確認(通常は大きな負荷は不要だが、既存回路の余裕を確認)
  • コンセントの高さ(地面から30cm以上が望ましい)
  • 盗難防止のため、鍵付きボックスの検討(行政案件で特に有効)

1-3. 電源ルートの安全性

  • 電源ケーブルが通行の妨げにならないか
  • 芝刈り機や車両が通る場所を避けられるか
  • 雪害・水没リスクの有無

2. 通信環境の確認(IoT管理の要)

オートモアのIoT管理(Automower Connect / Fleet Services)を最大限活用するには、通信品質の事前確認が極めて重要です。


2-1. 通信方式の確認

機種により異なるが、主に以下のいずれか:

通信方式用途注意点
LTE-M(セルラー)Fleet管理の標準電波状況が最重要
Bluetooth初期設定・近距離操作遠隔管理には不向き
Wi-Fi(対応機種のみ)自宅庭向け行政・広域案件ではほぼ使わない

行政案件・広域管理ではLTE-Mの電波状況が最重要。


2-2. LTE-M 電波状況の確認ポイント

現地で必ず確認すべき項目

  • スマホの電波強度(参考値として)
  • キャリアの電波状況
  • 圏外・弱電界の場所がないか
  • 山間部・谷地形・建物陰の影響
  • 充電ステーション付近での電波強度(最重要)

行政案件での「証跡としての電波確認」

  • スクリーンショットや写真で電波状況を記録
  • 調査報告書に添付することで、透明性・信頼性が大幅に向上

2-3. 通信が弱い場合の対策

  • 充電ステーション位置を電波の良い場所へ微調整
  • 外部アンテナ対応モデルの検討(機種による)
  • キャリア変更(docomo系 → au系など)
  • どうしても改善しない場合は、通信依存度の低い運用設計に切り替える
    • 例:スケジュール固定運用+定期巡回

3. IoT管理の安定運用のための追加チェック

3-1. GPS受信環境

  • 高木・建物・屋根の影響を受けやすい
  • 盗難防止・位置情報管理の精度に直結
  • 特に行政案件ではGPS精度の説明責任が求められる

3-2. 管理センター側の通信環境

  • Fleet Servicesのダッシュボードを常時監視する場合
    • 安定したインターネット回線
    • 管理PCのブラウザ環境
    • 通知メールの受信設定(迷惑メール対策)

4. 行政案件向け:調査報告書に入れるべき項目

行政向けの調査報告書に必ず入れるべき項目を整理しました。

報告書に入れるべき内容

  • 電源位置の写真
  • コンセントの仕様(防水・鍵付きか)
  • 電源からステーション予定地までの距離
  • LTE-M電波状況(写真付き)
  • GPS受信環境の評価
  • 通信が不安定な場合のリスク説明
  • 改善案(位置変更・キャリア変更など)

5. まとめ

電源・通信環境は、オートモア導入の成功を左右する最重要ポイント。
特に広域管理・行政案件では、

  • 電源の安全性・防水性・位置の妥当性
  • LTE-Mの電波状況(証跡付き)
  • GPS受信環境の確認
  • 通信が弱い場合の代替案提示

これらを事前に押さえることで、導入後のトラブルをほぼゼロにできます。